capRe chocolate – カプリチョコレート

山羊座を表すカプリコーンと再生を意味するRe:を合わせた造語。
自身のルーツであり、主軸として取り扱うチョコレート。

カカオハスクの可能性

カカオハスクはチョコレート産業における未利用資源の中では最も熱い分野です。
最近では大手メーカーもハスクを活用したチョコレートや美容品を発表しています。

カカオハスクとは

チョコレートの主原料であるカカオはピーナッツのような薄い外皮で覆われています。しかしこの外皮は、雑味や苦味、渋味を除き、食感を良好にするためにチョコレートを製造する過程で取り除かれてしまいます。

カカオハスクの効果効能

  • ポリフェノールによる抗酸化作用
  • テオブロミンによるリラックス効果
  • セラミドによる肌環境安定

活用事例

  • 香気成分やセラミド等の有効成分を抽出して食品や美容品に
  • 添加樹脂類と合成してマグカップ等の小物から机程度の大きさのものを制作

~可能性の拡大~

本来ならば渋味や苦味の観点からチョコレート製造時には取り除かれてしまうカカオハスクですが、独自の配合によりおいしく仕上げることができました。

カカオ特有の強烈かつ繊細な風味を、産地の違いはもちろんのこと、ナッツやドライフルーツとの組み合わせとともにお楽しみください。

アップサイクルへの取り組み

アップサイクルとは現状では価値のないものに手を加えることで、価値のある製品を生み出すというものです。

私達は生活の中にあふれる未利用の資源や、生産現場からなるロスに対して、あらゆる角度から価値を生み出す工夫をしています。

ひとつの資源に対して食品や生活用品といった用途を限定することなく日常を彩る品として提案していきます。

From Bean to Bar

当店のチョコレートはBean to Barの製法からインスピレーションを得て生まれました。

本来チョコレートは、カカオ豆をニブ(胚乳)とハスク(外皮)に分け、ニブのみを原料としています。そして苦味や舌ざわりの悪さから、ハスクは基本的には廃棄されてしまいます。

しかし、ハスクにもカカオ特有の香りがあり、産地やロースト加減による風味も残っています。栄養面でもGABAやポリフェノール等が豊富に含まれます。そんなハスクでチョコレートが作れるならば、生産者にとっても消費者にとっても新たな選択肢となるのではないでしょうか。

和紙

店の包装にはハスクを漉き込んだ和紙を使用しています。こちらは、京都府宮津市の工房「いとをかし」さんで1枚ずつ手作りされています。

和紙特有の触り心地や切り口から感じるぬくもり、2つとして同じ模様のないという出会いがチョコレートと向き合うと時間を一層深くしてくれます。

経緯と想い

将来は山羊と共に活動していきたい。
そんな思いから山羊座をモチーフに屋号とロゴを考えました。

 元々は地元姫路で循環型の農業や飲食に携わる仕事がしたくて酪農を学びに出ました。

 そこでの学びは、農業を循環させるためには動物を介すことが不可欠であることと、既存の酪農業の行き詰まり感でした。生産者側は輸入飼料への依存と価格上昇による費用の増加による負担が大きく、消費者側も牛乳の消費量が減っているため、需要と供給が釣り合わない状態が続いています。

 一方で社会的に広がりつつある持続可能性への意識の高まりは循環型農業を必要としていました。もちろん、地場産業としての農業を産業として強くするためにも必要だと考えています。
そのうえで、姫路に適した形で循環型農業を進めるならば、そこにあてはまる動物は山羊であることに至りました。牧場として開発するには広い平地が少なく、田畑だったところも埋め立てられている土地が増えた姫路では、コンパクトであること、臭いなど動物特有の影響を強く及ぼさないことが求められていることが求められる必須条件である。

 この段階で広大な土地を要する牛、鳴き声がとどろく鶏、動物臭の強すぎる豚は候補から外れます。(既存の畜産業を否定しているわけではなく、新規で産業を興すならばという前提です)

 山羊は鳴きはするもののぶつぶつ話す程度、足腰が強く斜面を含む土地でも元気である、臭いも強くなく、糞尿の管理も比較的楽であるといった点から適していると考えます。

 しかし、仮に山羊で酪農を展開するとしても、既存の山羊の酪農家は姫路には存在せず、私自身の農業のノウハウも経験も生業にするにはゼロに等しいものでした。そこで必要なことは、いろんな人たちの力を借りながら少しずつ輪郭を作ることでした。
したがって、人との交流を広げ、深めるためにも自分自身が何者なのかを伝えられる状態で人々に接することが求められます。
結論として、学生時代に自分が取り組んだ、副産物の活用とチョコレート作りを合わせた事業を興して社会と繋がろうというのが現在の私に至ります。